さいしょに
今回取り上げるテーマは「価格戦略」
わりと身近なテーマですね。
買ったつもりが、売り手に「買わされている」かも…!?
価格戦略が分かっているとフリマアプリでも有利!
というわけで、今日の目標はこの2つです!
スーパーで良く見る価格戦略
さて、まずは皆さんも良く利用されるスーパーマーケット!
ここで良く使われている価格戦略はこちらです。
わりと有名な戦略なのでご存じの人も多いかも?
①端数価格
②ロスリーダー
③EDLP
それぞれ解説していきましょう。
①端数価格
スーパーのチラシで「298円」とか「1,980円」とかって、良く目にしませんか?
「にーきゅっぱ」とかあの半端な価格が「端数価格」と呼ばれるものです。
大台に乗せないギリギリのラインを狙った価格付けで、昔から良く利用されてきた手法です。
アメリカなんかでは末尾を「9」にすることもありますが、日本では「8」が多いです。
この端数価格によるお得感は値段の安いものに有効です。
なので食品や雑貨なんかで良く見られますね。
ちなみに、香水や化粧品、ブランド品といった「高級感」のイメージが大事な商品では逆効果となります。
そうした高付加価値商品は価格ではなく別の所で勝負するのですが、それは今度にしましょう!
②ロスリーダー
マーケティング用語のため、この言葉自体は馴染みが薄いかもしれません。
ざっくり言うと「おとり価格」、こっちは聞いたことのある人も多いのでは?
要は、「採算度外視の目玉商品」でお客さんを引っ張ってくる作戦。
そして、来てくれたお客さんに目玉商品以外も買ってもらうことでお店の利益を確保するというやり方です。
僕はスーパーの食品レジで3年ほどバイトしていましたが、そのスーパーでは「卵」をロスリーダーにしていました。
Lサイズ10個パックで198円のものを、98円で売るんですよ。
びっくりするくらい来店者が増えます。
③EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)
アルファベットだけだとイメージしにくいと思いますが、日本語に訳すと「毎日安値」。
もともとはアメリカの大手小売り「ウォルマート」が取り入れていた考え方です。
特売を行わず、安定して安価で商品を提供するという考え方ですね。
先ほど紹介した「ロスリーダー」の価格戦略とは真逆を行きます。
EDLPのメリットは「いつ行っても安い」という安定感と安心感ですが、最近もうひとつメリットができました。
それは「混雑しにくい」ということ。
ロスリーダーに代表される特売は、特定の曜日や時間帯に集中的に集客を行うことが多いです。
ただし、昨今の感染症対策の観点からも密集は避けるべきものであり、消費者も混雑を忌避する傾向が強くなってきました。混雑の回避策としてネットスーパーが台頭しましたが、今後はEDLPの実店舗にも注目が集まってくるのではないでしょうか。
家電量販店で良く見る価格戦略
場面を移動して、家電量販店に目を向けてみましょう。
僕は家電量販店が大好きで、中学生のころには大阪の日本橋でフラフラするのが最高の楽しみでした。
家電量販店って、なんかワクワクしません!?
①キャプティブ プライシング
②名声価格(威光価格)
③バンドリング
じゃ、こっちもそれぞれ解説していくよー!
①キャプティブ プライシング
一番イメージしやすいのが「プリンター」と「インク」です。
ざっくり言うと、主製品ではなく付属品で儲ける方法ですね。
純正のプリンターインクって鬼のように高いんですよ。
で、本体は逆にめっちゃ安い。
ひどい時は下手したらインク買うよりプリンターを買いなおした方がマシ、という時期もありました。
※ここ最近はさすがにそこまでの状態は見たことが無いです
なぜこんな歪なことになるのかと言うと、メーカー側も安定収入が欲しいんですよ。
プリンターって一回買えば、そうそう買いなおさないですよね?
でもインクは印刷するたびに減っていく消耗品なので、定期的な購入が見込めます。
じゃあ、プリンター自体は利益ほぼ無しでもいいから、インクで定期収入をGETや!…となるわけです。
何かを買う時には、イニシャルコスト(初期投資)だけでなくランニングコストにも注目しておきたいですね。
②名声価格(威光価格)
これは「価格戦略」というよりは、どちらかと言えば「ブランド戦略」になります。
アップルのiPhoneなんかが分かりやすいです。
一般的には「価格=品質」というイメージがあります。
なので、安売りしないことで品質の高さをアピールする感じですね。
高品質商品、高級ブランドなんかがこれに該当します。
③バンドリング
いわゆる「セット販売」のことです。
セット販売については、僕の世代からすれば「抱き合わせ販売」というイメージが先行し、あんまり良い印象がありません。
※某ゲームソフト「ド〇クエⅢ」の抱き合わせはひどかった…(世代がバレる)
と、それはさておき、バンドリングは立派な価格戦略の一つです。
アプリをインストールした状態でパソコンを販売したり、リモートワーク用のマイクやチェアを一式で販売するのがこれにあたります。
購入者側のメリットとしては、個別に揃えるよりも安価な場合が多いこと。
店側のメリットとしては、まとまった売上の獲得と、それぞれの商品がどれだけの値引き率かをごまかせること。
特に後者が何気に重要で、お店としてはこういうのを避けたいんです。
あのチェアめっちゃ安売りされてるやん。
品質悪いんちゃうやろな?
どうしても、「安い=質が悪い」というイメージが付きまといます。
なので買って欲しいから割引したいけど、安物と思われると店のイメージ自体がダウンする…
この悩みを解決するのがバンドリングなんです。
購入する側としては納得して買いたい、さらに言えば安く買いたいわけです。
なので、お店としては購入者が納得できる理由を用意してやれば良いんです。
こんな感じで。
なるほど、セットで販売されてるから安いんやな。
お得かもしれん。
お店にも購入者にも両者にメリットがあるので、僕個人としてもバンドリングは戦略として優秀だなと感じています。
ネットサービスで良く見る戦略
実店舗からネットへ視点を変えてみましょう。
ネットサービス、ここ数年で一気に増えましたよね。
①サブスクリプション
こちらも解説していきましょう。
①サブスクリプション
「定額使い放題」がいちばんイメージしやすいかもしれません。
一番身近なところではAmazonのサービスが挙げられます。
僕自身も利用していますが、Amazon MusicやAmazon プライムなんかがこれにあたります。
通常の取引が「商品そのもの」や「サービスを受ける権利」を購入するのに対して、サブスクリプションでは「一定期間利用する権利」を購入することになります。
※厳密にはサブスクリプションにも色々種類がありますが、現在の一般的な契約はこの形式のためこちらを取り上げています。
サブスクリプションでは所有権が移転しない点が大きな特徴になります。
所有権が移らない、というと何か損した気分になってしまうかもしれません。
ですが、これがなかなか良くできた仕組みでしてサブスクリプションの利用者と提供者共にメリットがあります。
利用者からすると安価でサービスを利用し放題というのはなかなかのメリットです。
僕もAmazon MusicのとAmazon プライムを利用していますが、もう離れられません(笑)
上のメリットにはあえて入れませんでしたが、サブスクリプションのサービスって「楽」なんですよ。
たとえばAmazon Musicであれば「〇〇が聞きたい」とか考えなくても、お薦め曲がすぐ出てきます。
なので、なんとなく色々曲を流してみて「あ、この曲良いな」なんて偶然の出会いもあります。
自分で聞きたい曲を選んで購入する場合は、なかなかこうはいきません。
このスタイルだと受動的になっちゃうので好みが分かれるかもしれませんが、自分で聞きたい曲を選んで聞くこともできるので「選択肢が増える」という点では良いことなのかなと。
サービスの提供者からすると「安定収入」これに尽きます。
また買い切り型の様に売上が乱高下しにくいので、管理の手間が減るのも大きなメリットです。
今のユーザー数が〇人なので、管理の人数はこのくらいで行けそう。
サーバの処理能力も現状で足りそうだね。
ある程度「先が読める」というのはサービス提供者にとっては大きな安心に繋がります。
またサブスクリプションサービスを利用している人なら分かると思いますが、「お薦め」してくる機能があります。
これは、同じサービスを利用する人の好みの傾向をデータで持っているんです。
そのデータを元に、それぞれのユーザーの利用状況に合わせて紹介しています。
なので、お薦めされたものはハズレが少なくなります。
そして、お薦めされたものに満足したユーザーはサブスクリプションのサービスから離れられなくなる、と。
これで囲い込みの成立です。
「囲い込み」自体はユーザー側からはあまり印象の良い言葉では無いかもしれません。
ただ、ユーザー数が増えればサービスの質と量の向上も期待できますし、両者にとってメリットがあるのでWin-Winですね。
サブスクリプションサービスはデジタルコンテンツにとどまらず、家電や知育玩具にも取り入れられています。
知育玩具は僕も契約しようか、いまめっちゃ迷っています。
今後もサブスクリプションサービスはどんどん増えていきそうなので、これからが楽しみですね。
さいごに
ここまでをざっとまとめてみます。
【スーパーで良く見る価格戦略】
①端数価格 → 大台に乗せないことでお得感をアップ(例:298円)
②ロスリーダー → 目玉商品で集客!儲けは他の商品で(例:卵1パック98円)
③EDLP → 毎日安値で安心を提供
【家電量販店で良く見る価格戦略】
①キャプティブ プライシング → 主製品は安価にして付属品で儲ける(例:プリンタのインク)
②名声価格(威光価格) → 安売りしないことでブランドイメージを維持(例:iPhone)
③バンドリング → セット販売(例:リモートワーク用品一式)
【ネットサービスで良く見る戦略】
①サブスクリプション → 定額使い放題(例:Amazon Music)
いかがでしたか?
価格戦略を知ると、身近なスーパーや家電で何気なく目にしている商品の見方が変わってきます。
価格戦略はマーケティングの中でもめっちゃ身近な要素!
みんなも何か買い物するときは「お店の意図」を想像してみてね!
それでは皆さんも良い買い物ライフを!
またお会いしましょう!